公開・更新基準:2026年10月9日
2027年度(令和9年度)から、埼玉県の公立高校入試制度が大きく変わります。
これまでの入試とは異なり、すべての受検生に面接が実施されるほか、学力検査へのマークシート方式の導入、調査書の様式変更、新しい選抜方式の導入などが予定されています。
こうした変更を受けて、
「内申点は今まで以上に重要になるの?」
「面接では何を話せばいい?」
「今から受験勉強の方法を変えた方がいい?」
と不安に感じている中学生や保護者の方も多いのではないでしょうか。
川口市で15年以上にわたり個別指導を行ってきた「こだわり塾」では、今回の制度変更について、講師向けの研修でも取り上げ、学習計画や受験対策への影響を検討してきました。
この記事では、埼玉県教育委員会の公式発表をもとに、2027年度入試の変更点と、受験生が今から取り組むべき対策をわかりやすく解説します。
1.2027年度埼玉県公立高校入試の7つの変更点

まず、今回の制度変更の全体像を確認しておきましょう。
| 変更項目 | 主な内容 |
|---|---|
| ① 全員面接 | すべての受検生に面接を実施 |
| ② My Voice | 面接冒頭に自分の経験や考えを伝える時間を新設 |
| ③ 自己評価資料 | 全員が面接の参考となる資料を提出 |
| ④ 調査書 | 記載内容を見直し、評定中心の様式に変更 |
| ⑤ 学力検査 | マークシート方式を導入 |
| ⑥ 選抜方式 | 共通選抜・特色選抜を導入 |
| ⑦ 国語の作文 | 学力検査では作文問題を出題しない |
なお、すべての高校で同じ配点・評価方法になるわけではありません。高校や学科によって選抜方式が異なるため、志望校ごとの確認が重要です。
2.すべての受検生に面接を実施!「My Voice」とは?
今回の入試改革で、特に注目したいのが面接の導入です。
2027年度からは、埼玉県の公立高校を受検するすべての生徒に、個人面接または集団面接が実施されます。
面接の流れ

新しい面接は、大きく2つの段階に分かれています。
① My Voice(マイボイス):1分30秒〜2分程度
自分がこれまで取り組んできたことや、高校入学後に挑戦したいことなどを、自分の言葉で伝えます。
② 質問・応答:3分30秒〜6分程度
My Voiceや自己評価資料などの内容を参考に、面接官からの質問に回答します。
ここで注意したいのは、立派な受賞歴や生徒会役員などの実績がないと評価されないわけではない、という点です。
埼玉県教育委員会は、実績そのものではなく、取り組む過程で何を考え、何を学んだかという点も重視しています。
どのように準備すればいい?
例えば、次のような経験も題材になります。
- 苦手だった数学を克服するために工夫したこと
- 部活動で仲間と協力して取り組んだこと
- 学校行事で失敗した経験から学んだこと
- 自分なりに目標を決めて努力を続けたこと
大切なのは、単に「何をしたか」を述べることではありません。
「なぜ取り組んだのか」「どのような工夫をしたのか」「何を学んだのか」まで、自分の言葉で説明できることが重要です。
今からできる準備として、学校生活で印象に残った出来事を月に一度振り返り、短い文章にまとめておくことをおすすめします。
また、面接では話し方の流暢さ自体が評価されるわけではありません。原稿を丸暗記するよりも、自分の考えを自然に説明できるように練習しましょう。
3.新たに提出する「自己評価資料」とは?
2027年度入試からは、すべての受検生が自己評価資料を提出します。
これは、面接官が受検生の考えや経験を理解するために使用する資料です。
学校生活や学校外での活動を振り返り、これまで努力したことや身につけた力、将来の目標などを自分の言葉でまとめます。
自己評価資料を作成するときのポイント
おすすめなのは、次の4つの視点で経験を整理することです。
- 取り組んだこと: 何に力を入れたか
- 課題: どのような難しさがあったか
- 工夫: その課題をどう乗り越えようとしたか
- 成長: 経験から何を学んだか
例えば「英語の勉強を頑張った」とだけ書くよりも、苦手だった単語の暗記方法を工夫した経験や、それによって変化した自分の考えを整理する方が、面接で話す内容も具体的になります。
なお、自己評価資料そのものは得点の算出には使われません。 文章量や字の上手さも評価対象ではありません。
ただし、面接時の質問につながる資料ですので、自分の考えを整理して作成することが大切です。
4.学力検査はマークシート方式へ!難易度は変わる?
2027年度からは、学力検査にマークシート方式が導入されます。
国語・数学・英語・理科・社会の5教科について、得点換算でおおむね次の割合となります。
- マークシート方式:約90%
- 記述式:約10%
ただし、マークシート方式になるからといって、試験が簡単になるわけではありません。
埼玉県教育委員会は、出題の基本方針や難易度は従来から変更しないと説明しています。
マークシート方式への対策
特に意識したいのは、次の3点です。
① 知識を正確に身につける
選択肢から答える問題でも、基礎知識が曖昧なままでは正答できません。
英語なら文法と語彙、数学なら公式の理解と計算力など、基本事項を確実に身につけることが重要です。
② 問題文を正確に読む
マークシート方式では、複数の選択肢から最も適切な答えを選ぶ問題があります。
「正しいものを選ぶ」のか「誤っているものを選ぶ」のかといった条件を正確に読み取る練習が必要です。
③ 時間を意識して演習する
考え方がわかっていても、時間内に解き終わらなければ得点にはつながりません。
日頃から制限時間を設定して問題を解き、解答の確認とマークミスを防ぐ習慣を身につけましょう。
なお、記述式問題も残るため、記述対策をすべてやめるのは適切ではありません。
国語の作文は廃止される
2027年度の学力検査では、国語の作文問題は出題されません。
ただし、記述問題そのものがなくなるわけではなく、読解力や思考力、表現力を問う問題への対策は引き続き必要です。
また、高校・学科によっては特色検査で作文や小論文が実施される場合があります。
志望校の選抜実施内容は個別に確認しておきましょう。
5.共通選抜・特色選抜とは?高校によって配点が違う
今回の制度変更では、新たに「共通選抜」と「特色選抜」という選抜方式が導入されます。
共通選抜
県教育委員会が定める方法によって、次の3つを得点化します。
- 学力検査
- 調査書
- 面接
特色選抜
高校や学科の特色に応じて、各学校が評価方法を設定する方式です。
学力検査、調査書、面接のほか、必要に応じて特色検査を実施します。
また、一部の教科を150点または200点満点とする傾斜配点が行われる場合もあります。
例えば、理数系の学科では数学や理科の配点が高く設定されるケースがあります。
この場合、同じ学力の生徒であっても、得意教科によって志望校との相性が変わる可能性があります。
川口市周辺の高校で比較してみよう
実際に、2027年度の確定版選抜実施内容をもとに、県立川口高校と川口市立高校の普通科を比較します。
| 比較項目 | 県立川口高校 | 川口市立高校 |
|---|---|---|
| 第1次選抜の割合 | 80% | 60% |
| 第1次の学力検査 | 500点 | 500点 |
| 第1次の調査書 | 200点 | 300点 |
| 第1次の面接 | 60点 | 30点 |
| 第2次の調査書 | 400点 | 200点 |
| 第2次の面接 | 60点 | 30点 |
※川口市立高校は普通科(スポーツ科学コースを除く)の内容です。数値は各選抜段階の配点であり、両校の合格難易度を直接比較できるものではありません。
ここで注目したいのは、同じ普通科であっても、調査書と面接の配点が異なることです。
県立川口高校は第2次選抜で調査書の配点が大きくなります。一方、川口市立高校は第1次選抜の調査書配点が300点に設定されています。
「内申点がどれくらい重要なのか」は、志望校と選抜段階によって違うということです。
また、川口市立高校では数学・英語に学校選択問題が採用されていますが、県立川口高校では採用されていません。
このような違いも考慮したうえで、志望校に合った学習計画を立てる必要があります。
6.内申点はどう変わる?中1・中2の成績も重要

高校受験において、引き続き重要なのが内申点です。
2027年度からは調査書の様式が変更され、教科の評定が中心となります。
共通選抜では、中学校3年間の9教科の評定を使用し、学校が選択した学年別の比率に基づいて得点を算出します。
設定できる比率は次の3つです。
| 中1:中2:中3 | 基本点の満点 |
|---|---|
| 1:1:1 | 135点 |
| 1:1:2 | 180点 |
| 1:1:3 | 225点 |
さらに、高校によって調査書の得点を200点・300点・400点のいずれかに換算します。
※特色選抜では、別の学年別比率や換算方法が設定される場合があります。
内申点の計算例
例えば、中1・中2・中3の9教科の評定合計がそれぞれ次の場合を考えてみましょう。
- 中1:30点
- 中2:32点
- 中3:34点
学年別の比率が1:1:2なら、基本点は次のようになります。
30+32+34×2=130点(180点満点)
この基本点を、各高校が設定した配点に換算します。
同じ評定であっても、志望校によって最終的な得点への影響が異なる点を理解しておきましょう。
中1・中2は何をすべき?
「中3になってから頑張ればいい」と考えるのはおすすめできません。
中1・中2の評定も選抜に使われるため、日頃の定期テストや授業への取り組みが重要になります。
特に、次の3点を意識しましょう。
- 定期テストの結果を毎回振り返る
- 英語・数学の苦手単元を放置しない
- 提出物や授業への取り組みを大切にする
なお、調査書に出欠の記録を記載する欄はなくなります。また、委員会活動や部活動の実績そのものを調査書の加点項目として扱う仕組みではなくなります。
ただし、活動の過程やそこで身につけた力は面接で評価されるため、学校生活を充実させることが無意味になるわけではありません。
7.2027年度埼玉県公立高校入試の日程
2027年度入試の主な日程は以下のとおりです。
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 2027年1月26日〜2月9日 | 出願期間 |
| 2月17日・18日 | 志願先変更期間 |
| 2月25日 | 学力検査 |
| 2月26日 | 面接 |
| 3月1日 | 特色検査(一部の学校) |
| 3月2日 | 追検査 |
| 3月5日 | 入学許可候補者発表 |
※特色検査は2月26日に実施される場合もあります。
新しい制度では、学力検査の翌日に面接が実施されます。
学力検査の勉強だけでなく、面接や自己評価資料の準備も、余裕を持って進めておきたいところです。
8.こだわり塾が考える、新制度に向けた3つの受験対策
ここまで制度の変更点を確認してきました。
しかし、本当に大切なのは「制度がどう変わるか」だけではなく、**「その変更を踏まえて、普段の勉強をどう進めるか」**という点です。
こだわり塾の講師研修では、学年ごとの学習状況や志望校を踏まえて、年間の学習計画を立てることを重視しています。
特に、次の3点を意識することをおすすめします。
① 定期テストの4週間前から準備する
定期テスト対策では、テスト範囲が発表されてから勉強を始めるのでは遅くなることがあります。
部活動などで忙しい中学生ほど、早めの準備が重要です。
例えば、次のような流れで進めてみましょう。
| 時期 | 取り組むこと |
|---|---|
| 4週間前 | 前回のテスト結果を分析し、苦手単元を確認 |
| 2週間前 | 暗記や基本問題を進め、学校のワークを一巡 |
| 1週間前 | 間違えた問題の解き直し、時間を測った演習 |
| 前日 | ミスしやすい部分の確認、体調管理 |
単にワークを終わらせるのではなく、「解けなかった問題を自力で解けるようにすること」が重要です。
② 志望校の選抜方式から逆算する
同じ埼玉県の公立高校でも、入試の評価方法は一律ではありません。
例えば、学力検査の配点が大きい高校を目指す場合と、調査書の比重が大きい高校を目指す場合では、学習計画の考え方が変わります。
まずは、次の情報を整理してみましょう。
- 志望校と志望学科
- 現在の内申点
- 模試での偏差値と科目別得点
- 苦手科目・得意科目
- 志望校の学力検査・調査書・面接の配点
こうした情報をもとに、「どの科目で、いつまでに、何点を目指すか」という具体的な目標を設定することが重要です。
③ 面接準備は普段の学習と並行する
面接対策というと、受験直前に想定質問への回答を暗記するイメージがあるかもしれません。
しかし、新しい面接では、自分の経験を振り返り、自分の考えを伝えることが重要です。
例えば、月末に次の3つを振り返ってみてください。
- 今月頑張ったこと
- うまくいかなかったことと、その改善方法
- 来月挑戦したいこと
この振り返りは、普段の学習改善にも役立ちます。
面接のためだけの特別な活動を増やすよりも、日々の経験を自分の言葉で説明できるようにすることから始めてみましょう。
9.よくある質問
Q. マークシート方式になると、入試は簡単になりますか?
いいえ。埼玉県教育委員会は、出題の基本方針や難易度は従来から変更しないと説明しています。
マークシート方式に慣れることは必要ですが、基礎学力や応用力を身につけることが最も重要です。
Q. 面接が苦手だと不利になりますか?
話し方の上手さそのものは評価対象ではありません。
自分が取り組んだことや、そこから学んだことを、自分なりの言葉で伝えることが大切です。
Q. 部活動や生徒会の実績がないと不利ですか?
実績そのものが評価されるわけではありません。
普段の学校生活や学習への取り組みなども含めて、自分の経験を振り返っておきましょう。
Q. 中学2年生も今回の制度変更に備える必要がありますか?
はい。
2026年度に中学2年生の方が受けるのは2028年度入試ですが、今回導入される新制度を踏まえた受験準備が必要です。
特に、内申点につながる定期テスト対策や、英語・数学の基礎固めは、中2のうちから進めておくことをおすすめします。
Q. 志望校がまだ決まっていなくても対策できますか?
もちろんです。
まずは定期テストの成績や模試の結果から、自分の得意・不得意を把握しましょう。
そのうえで、通学距離や興味のある学科、学習環境などを考慮しながら志望校を検討することができます。
10.まとめ|入試制度が変わっても、日々の学習が重要
2027年度の埼玉県公立高校入試では、全員面接やマークシート方式の導入、選抜方式の変更など、大きな改革が実施されます。
ただし、制度が変わったからといって、これまでの学習が無駄になるわけではありません。
むしろ、普段の定期テスト対策や基礎学力の定着に加えて、志望校ごとの選抜方法を理解し、自分に合った計画を立てることが重要になります。
高校受験で大切なのは、入試直前に慌てて準備することではなく、今の学力と志望校との距離を把握し、必要な対策を一つずつ積み重ねていくことです。
川口市・元郷周辺で高校受験対策をお考えの方へ
個別指導塾「こだわり塾」は、川口市の地域で15年以上にわたり、小学生・中学生などの学習をサポートしてきました。
高校受験では、一人ひとりの成績や志望校、苦手科目によって、必要な勉強方法が異なります。
「今の内申点でどんな高校が目指せる?」
「中2から何を優先して勉強すればいい?」
「新しい入試制度に向けて、どんな学習計画を立てればいい?」
このようなお悩みがありましたら、ぜひこだわり塾にご相談ください。
定期テストや模試の結果を踏まえながら、志望校に向けて必要な学習について一緒に考えていきます。
高校受験・学習相談について、まずはお気軽にお問い合わせください。
参考資料
- 埼玉県教育委員会「令和9年度入試についてのQ&A」
- 埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜実施内容(確定版)」
- 埼玉県教育委員会「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における学力検査問題の出題の基本方針」
※制度情報は2026年10月9日時点の公式公表内容に基づいています。受検に際しては必ず最新の実施要項・志望校別の選抜実施内容をご確認ください。
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