更新日:2026年10月10日
2027年度から埼玉県公立高校入試を受ける生徒は、全員「自己評価資料」を提出します。「何を書いたらいい?」「生徒会や部活動で実績がない」「親が文章を直してもいい?」と悩む方に向けて、県教育委員会の公式様式に沿ってポイントを整理します。
結論は、自己評価資料は立派な実績を競う作文ではなく、自分の経験と成長を振り返るための資料だということ。文章の上手さや分量は評価対象ではありません。しかし面接の質問の手がかりになりますから、本人が説明できる内容を書くことが重要です。
1.自己評価資料とは?2027年度から全員提出
自己評価資料は、新しい公立高校入試の「面接」で使われる補助的な資料です。出願時に提出し、学校側が質問内容を考える際などに参考とします。資料自体は得点の算出には用いません。
県の「様式6 自己評価資料」には、大きく二つの記入欄があります。
| 欄 | 書く内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 共通の記述欄 | これまで力を注いだこと、高校入学後や将来したいこと、自己PRなど | 自分の言葉で経験と考えを整理 |
| 学校独自項目 | 志望校が独自項目を設定している場合、その項目について記載 | 各校の公表内容を確認 |
すべての学校が独自項目を設定しているわけではありません。どの欄が必要かは、志望校の選抜実施内容で確認してください。様式そのものは県の実施要項・様式6から確認できます。
2.自己評価資料に書く題材の選び方
まず「結果がすごい活動」を探すのではなく、「自分が実際に考えて行動した場面」を選びます。大切なのは、結果や肩書きそのものよりも、取り組む過程やそこで身につけた力を振り返ることです。
- 苦手科目を克服するために勉強方法を変えた
- 部活動で役割を見つけ、継続して取り組んだ
- 文化祭や体育祭で意見の違いを乗り越えた
- 地域活動・習い事・家庭での役割に取り組んだ
- 好きな分野を独学し、工夫して知識を深めた
一つの経験を「きっかけ」「課題」「工夫」「変化」「学んだこと」の5つに分けてメモします。重要なのは、読んだ人に「何を頑張り、何が変わったか」が伝わることです。
3.書き方の5ステップ
① テーマを一つ決める
複数の活動を詰め込むより、説明しやすい経験を選びます。本人が楽しんだこと、悩んだことなど、具体的に話せる題材が向いています。
② 最初の状況を説明する
「最初はどこが難しかったか」を書くと、その後の工夫が伝わりやすくなります。たとえば「英語が苦手でした」だけでなく、「単語は覚えても文章で使えなかった」など状況を具体化します。
③ 自分がした工夫を書く
自分で考えて変えた行動を書きます。例:「単語の暗記だけでなく、毎日短い英文を作って使う練習に変えました」。先生の指示を実行した場合でも、なぜ続けたのかを振り返ると本人らしさが表れます。
④ 学んだことを言葉にする
「努力の大切さを学んだ」だけでは抽象的です。「わからないところを分類すると、次に何を勉強するか決めやすいと気づいた」といった具体的な気づきまで整理します。
⑤ 高校で取り組みたいことにつなげる
高校で学びたいことや挑戦したいことを、現時点の思いとして書きます。無理に将来の職業を決める必要はありません。
4.記入例|苦手な数学に取り組んだ経験
以下は書き方を考えるための架空の例であり、正解の文章ではありません。自分の経験に置き換えてください。
私は数学の文章題が苦手でした。問題文を読んでも何を求めるのか整理できず、途中で解くのをやめてしまうことがありました。そこで、問題文の条件を図や表に書いてから式を立てる練習を続けました。最初は時間がかかりましたが、少しずつ自分で考えられる問題が増えました。この経験から、難しいことでも課題を小さく分ければ取り組みやすいと学びました。高校でも、苦手をそのままにせず、自分で方法を考えて学び続けたいです。
この例のポイントは、点数が何点上がったかだけでなく、どこにつまずき、どんな工夫をしたかがわかることです。ただし本人の経験でないエピソードを流用したり、実績を脚色したりしてはいけません。
5.学校独自項目がある場合の注意点
学校によっては「学校独自項目」を設定しています。共通欄で書いた文章を無条件に貼り付けるのではなく、その問いに答えているか確認しましょう。たとえば協働性を問う項目なら、単に「部長を務めた」ではなく、周囲と意見を調整した経験などが説明しやすいでしょう。
学校独自項目は年度や学科で変わることがあります。インターネット上の過年度情報だけで作成せず、2027年度の各高校の確定版資料と募集要項を確認してください。
6.書き終わったら面接練習までセットで
面接では、自己評価資料に書いた内容を質問されることがあります。一方、面接冒頭の「My Voice」は資料と同じ内容でなくても構いません。
書いた文章について「そのとき何を考えた?」「どうしてその方法にした?」「今なら何を変える?」と聞かれた場合に、自分の言葉で答えられるか確認しましょう。文章の丸暗記よりも、経験を言い換えて説明できることを優先します。
県の公式Q&Aでは、出願時に提出したものと同一の自己評価資料に限り、面接会場への持ち込みが可能とされています。ただし読み上げるだけではなく、自分の言葉で表現することが推奨されています。
7.よくある質問
Q.保護者や先生が文章を添削してもいい?
受検生が自ら作成する資料です。誤字の確認や「何を言いたい?」と問いかける程度のサポートは考えられますが、他人が内容を作り込んで本人の言葉でなくなるのは避けましょう。
Q.何文字書かなければいけませんか?
文章の多い少ない自体は評価対象ではありません。公式様式と各校の案内を確認し、枠内に読める文字で自分の考えを書きましょう。
Q.手書きとパソコンのどちらが有利?
自筆・コンピュータのどちらでも作成でき、文字の上手さは評価対象ではありません。学校の提出方法に従い、PDF化しても読める形にします。
Q.いつまでに提出する?
2027年度は出願時に提出します。在籍中学校の校内締切が先に設定される場合もあるため、余裕を持って担任の先生に確認しましょう。
まとめ|「うまく書く」より「自分で考えて書く」
自己評価資料は、新しい入試面接に向けて自分を振り返る資料です。学校独自項目の有無を確認し、経験・課題・工夫・学びを自分の言葉で記録しましょう。完成後は、そこからどんな質問が来ても説明できるように練習しておくと安心です。
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